先日USMLE Step 2CKを受験してきました。
結果から言うと、目標としていた点数には程遠く、合格点ぎりぎりでの合格でした。正直、驚きと安堵、そして「もっとできたはず」という悔しさが入り混じった感情です。今回の記事では、私の具体的な学習プロセス、受験当日の様子をシェアさせていただきます。皆さんの学習の一助となれば幸いです。
そして最後に私の反省点とテクニック的な部分は有料とせていただくので、少しでも役に立ったという方は労いの意味も兼ねてご購入いただけると嬉しいです。
私は現在、日本の市中病院で研修医として働いています。将来的に海外での臨床経験を積みたいという漠然とした思いがあり、その第一歩としてUSMLEに挑戦することを決めました。Step1はなんとか合格できましたが、正直なところ「受かったからよし」というレベルで、十分な基礎を築けていたとは言えませんでした。そのため、Step2 CKは、より臨床に直結する知識を体系的に学び直し、自分の臨床能力を底上げする良い機会だと捉えていました。
私のStep2 CKの本格的な学習期間は、約6ヶ月間でした。日々の研修と並行しての学習だったため、まとまった時間を確保するのが難しく、試行錯誤の連続でした。
Step2 CK学習の最重要教材であることは間違いないでしょう。私もUWorldを中心に学習を進めました。
学習方法: 1日1ブロック(40問)を目標に、間違えた問題や、正解した問題でも知識が曖昧なものは、解説を徹底的に読み込み、関連する知識をFirst Aid Step2 CK(以下FA)やOnlineMedEd(以下OME)で補強しました。特に、UWorldの解説は秀逸で、なぜその選択肢が正しいのか、なぜ他の選択肢が間違いなのかが論理的に示されており、単なる知識の暗記に留まらない「考え方」を学ぶことができました。
周回数: 正直、1周で精一杯でした。2周目に入ったものの、時間的な制約から途中で挫折してしまいました。これが今回の反省点の一つでもあります。
ノートまとめ: UWorldで間違えた問題や、頻出の疾患、覚えにくい鑑別疾患などは、GoodNoteにまとめていました。後から検索しやすいように、キーワードを整理して入力することを心がけました。
Step1のFAのように最初から読み込むというよりは、UWorldで出てきた知識の確認や、苦手分野の総ざらいに辞書的に使用しました。
特に、各科の「High-yield facts」や、鑑別診断リスト、治療アルゴリズムは、直前のおさらいに非常に役立ちました。また、画像所見や聴診所見などの視覚的な情報も豊富で、理解を深めるのに役立ちました。
動画講義とノートがセットになった教材で、特に苦手な分野や、UWorldの解説だけでは理解しきれない概念を学ぶのに活用しました。
学習方法: 倍速で視聴し、重要なポイントはノートに書き込んだり、講義ノートに直接ハイライトしたりしました。特に、診断アルゴリズムや治療プロトコールが体系的にまとめられており、頭の中を整理するのに非常に有効でした。
苦手分野の克服: 精神科や小児科など、臨床経験が少ない分野は、OMEの動画で全体像を掴んでからUWorldに取り組むことで、より効率的に学習を進めることができました。
UWorldをある程度進めた後に、知識の定着度を確認するために利用しました。特に、Ambossの”Knowledge”セクションは、各疾患について詳細にまとめられており、UWorldで出てきた知識の背景をより深く理解するのに役立ちました。Qbankは、UWorldとは異なる切り口の問題も多く、知識の応用力を試す良い機会になりました。
Ankiは、知識の定着に欠かせないツールでした。
UWorldやOMEで学んだ重要な知識、忘れやすい知識、鑑別診断などをフラッシュカード形式で作成しました。特に、薬剤の副作用、特定疾患の合併症、鑑別診断の鑑別ポイントなどは、Ankiで毎日復習することで、着実に記憶に定着させることができました。
毎日、寝る前や通勤時間などの隙間時間に、Ankiを復習するように心がけました。
模擬試験は、自分の実力を測るだけでなく、本番の時間配分や体力配分をシミュレーションするために非常に重要です。
NBME(National Board of Medical Examiners):
私はNBMEフォームを3つ受験しました。UWorldの学習が半分ほど進んだ段階で1つ目、学習終盤で2つ、3つ目を受験しました。
NBMEは、実際の試験に近い形式で、弱点分野を特定するのに役立ちました。特に、不正解だった問題の解説をしっかりと読み込み、関連知識を復習することで、苦手分野を克服するきっかけとなりました。
UWSA(UWorld Self-Assessment):
UWSAは、UWorld社が提供している模擬試験で、UWorldの問題傾向に似ていると言われています。私はUWSA1とUWSA2の両方を受験しました。
UWSAは、実際の試験スコアとの相関が高いと言われており、自分の実力を測る上で非常に参考になりました。特に、UWSA2は、本番直前に受験し、最終的なスコア予測に役立てました。
私は関西在住のため、大阪の中津会場で受験しました。
なるべく受験者が少ないであろう週の半ばを選びました。
前日は緊張と不安でなかなか寝付けず、精神的に落ち着かない状態でした。本来であれば、リラックスして過ごすべき時間だったのですが、この辺りも反省点です。
当日は朝食をしっかりとり、試験会場へ。試験会場は、セキュリティが厳重で、入退室のたびに身体検査があります。試験は、約8時間の長丁場です。
時間配分: 各ブロック60分で40問を解きます。1問あたり1分30秒の計算ですが、長い臨床問題も多く、じっくり考える時間はありません。問題文を素早く読み解き、必要な情報だけを抽出するスキルが求められます。
休憩: ブロック間の休憩は自由にとることができますが、時間管理が重要です。私は各ブロックの間に5分程度の休憩を挟み、途中で一度長めの休憩(30分)を取りました。水分補給とトイレ、そして軽いストレッチでリフレッシュすることを心がけました。
集中力の維持: 長丁場の試験なので、集中力を維持するのが非常に大変でした。途中で集中力が途切れてしまうこともありましたが、深呼吸をして、気持ちを切り替えるように努めました。
試験中は、UWorldで見たことのある症例や、OMEで学んだ診断アルゴリズムがそのまま出題されることもあり、これまでの学習が無駄ではなかったと実感しました。しかし、初めて見る疾患や、選択肢が非常に似通っている問題も多く、最後まで気が抜けませんでした。
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